出羽からの新しい祈りに寄せたメッセージ

yamaori

  • 宗教学者

山折哲雄

伝統芸能は、古典であれ民間のものであれ、そもそもは大道芸から出発したものだった。 それがいつのまにか屋内の劇場芸に身をやつして、亡びの道を歩むようになった。その伝統芸に魂を吹きこみ、生き返らせるためには、今日の屋内や座敷や劇場から飛び出て、もとの大道の世界へ、つまり自然そのものの中に、その活動の場を移していかなければならないのだろうと思う。つまり芸の初心に立ち返る、ということではないだろうか。

baba

  • 歌人

馬場あき子

庄内は海陸両面の交通の発達によって、諸方の文化を吸収し、地域独自の文化を育てる場面に恵まれていた。黒川能とその風土も該当する一つである。 米作りの農事と、神祭に奉仕する能が暦のように組込まれた一年の経緯をみても、これ以上はないという農村のくらしの楽しみ方の智恵がつまっている。数百年に及ぶ黒川能の伝統も、それを愛する心と継ぐ意志あったのものだ。そこには精神文化としての能の文学的な力も作用していたと思われる。

akasaka

  • 学習院大学教授

赤坂憲雄


yamaori

  • 重要無形文化財「黒川能」下座太夫

上野由部氏

音・振…コラホへの想い

私の中で、不偏と創造が混沌とうごめいている。人が創り出す音や振りの源は、自然の音と揺らぎにあるだろう。恐れ・自壊・願い…その祈りの音と振りの融合で、多くの芸能が生まれたのだろう。その融合は、古今の隔たりや形式に固執することなく、時に生きる人間の思いの形として、生み出され続けるのだろう。私たちの思いは時空を超えて不偏だから、異次元と思われるもののコラボで表現されるものに惹かれてしまう。

baba

  • 舞踏家

森繁哉氏

創造する踊りによせて

私に与えられた課題は、古典芸能と現代の舞踏がどう係われるかという問いだと思っています。互いが保有している芸能の世界観や技術を披露するのは、それほどむずかしいことではないと思っていますが、共通するもの・相違するものの融合・突出といった創造することの妙・不思議を、そこに現出することは、そうたやすいことではないと思っています。
音楽の力もお借りしながら、「伝統」と「現代」のせめぎ合い、そして新しい芸能の発生を楽しんでいただける時間にしたいと思っています。

akasaka

  • 音楽家

岡野弘幹氏